2025年10月

連邦内閣、政府の行動計画「核融合発電所実現に向けたドイツの歩み」を承認(10月1日)

ドイツ連邦政府は、核融合を画期的な技術としてとして位置づけている。連邦内閣は「核融合発電所への道を進むドイツ」という連邦政府の行動計画を承認した。この計画は、ドイツを革新的な研究拠点とすることを目的とした「ハイテク・アジェンダ・ドイチュラント(Hightech Agenda Deutschland:HTAD)」の主要施策の一つであり、政府が核融合研究へコミットし、ドイツで核融合発電所を実現することを目標としている。2029年までに、研究支援や新たな研究設備、技術実証装置の整備などに20億ユーロ以上が投じられる予定である。

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DAAD、国際人材を誘致する新プログラム「Academic Horizons」を開始(10月1日)

ドイツ学術交流会(Deutsche Akademische Austauschdienst:DAAD)は、新たな助成プログラム「Academic Horizons – Attracting Global Minds」を開始した。このプログラムは、ドイツの大学が国際的な若手人材を主要技術分野の修士課程および博士課程に招き入れることを支援するもので、連邦研究・技術・宇宙省(Bundesministeriums für Forschung, Technologie und Raumfahrt:BMFTR)は、このプログラムを「Global Minds Initiative」の一環として支援し、2029年までに約1,500万ユーロを拠出する。このプログラムは、人工知能、量子技術、気候中立型モビリティ技術などの主要技術分野で修士号または博士号レベルの学習・研究を行う国際学生および若手研究者を対象としている。大学は、対象者を呼び込むための戦略を策定し、ドイツでの学業・研究開始を支援する制度を整備することが求められる。また、ドイツでのキャリア開始に備えるための大学内でのキャリア支援も促進される。

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DFG、動物実験の承認手続き見直しを要請(10月1日))

ドイツ研究振興協会(Deutschen Forschungsgemeinschaft:DFG)の上院委員会は、動物実験の承認手続きの見直しを求める声明を発表した。この見直しは、動物実験研究におけるドイツの高い動物保護基準と、科学システムの競争力・革新力の両立を図るために必要であるとしている。声明では、信頼できる枠組みがあって初めて、科学は社会に対する研究使命と研究目的での動物の適切な取り扱いの両方に応えることができると述べられている。現在の承認手続きは、増大する行政負担や、法的・計画上の不確実性と結びついており、研究活動に大きな影響を及ぼしている。委員会は連邦および州レベルの関連省庁や機関に対し、認可手続きの迅速化・統一化、事務負担の軽減、法的な不確実性の解消に向けた措置を講じるよう要請している。

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ノーベル化学賞、AvHにゆかりのある北川進氏とOmar M. Yaghi氏が受賞(10月8日)

アレクサンダー・フォン・フンボルト財団(Alexander von Humboldt-Stiftung:AvH)は、北川進氏とOmar M. Yaghi氏が、Richard Robson氏とともにノーベル化学賞を受賞したことを祝福する。3名の研究者は、金属有機構造体(MOF)の開発に対して共同で評価された。これにより、フンボルト財団が支援してきた研究者の世界的なネットワークに所属するノーベル賞受賞者は63名となった。日本の化学者である北川進氏は、多孔性配位高分子および金属有機構造体の合成と特性に関する先駆的研究で知られている。北川氏は2008年にフンボルト研究賞を受賞し、2008年から2018年にかけてドイツで複数回の共同研究を行った。アメリカの化学者Omar M. Yaghi氏は、金属イオンと有機構造から成る超多孔質材料分野における世界的第一人者である。Yaghi氏はカリフォルニア大学バークレー校の教授であり、2022年にフンボルト研究賞を受賞した。

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BMFTR、国際ワクチンイニシアティブCEPIへの支援を強化(10月12日)

ドイツはグローバルヘルスへの取り組みを強化しており、連邦研究・技術・宇宙省(Bundesministeriums für Forschung, Technologie und Raumfahrt:BMFTR)は、国際ワクチンイニシアチブ CEPI(「Coalition for Epidemic Preparedness Innovations」)を 2030 年までに 1 億ユーロ支援する。この財政的支援により、ドイツは感染症及びパンデミック対策における先導的な役割を担う。Dorothee Bär研究・技術・宇宙大臣は、この支援によりドイツが世界的な健康保護と人々の安全に対して責任を果たし、研究とイノベーションを強化すると述べた。また、CEPIのCEOであるRichard Hatchett氏は、ドイツの新たなコミットメントは、現在その重要性が非常に高い中での真の国際的リーダーシップを示していると述べ、ドイツの支援に感謝の意を表した。

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連邦内閣、「マイクロエレクトロニクス戦略」を承認(10月15日)

ドイツ連邦内閣は、連邦研究・技術・宇宙省(Bundesministeriums für Forschung, Technologie und Raumfahrt:BMFTR)と連邦経済・エネルギー省(Bundesministerium für Wirtschaft und Energie:BMWE)が共同提出した「マイクロエレクトロニクス戦略:研究・人材・製造によるドイツのマイクロエレクトロニクス・エコシステム」を承認した。Dorothee Bär研究・技術・宇宙大臣は、マイクロエレクトロニクスは基盤的な技術であり、研究集約的で、繁栄と技術的自立の基盤となる重要な技術とし、ドイツをチップ設計のヨーロッパの中心地として科学から経済への技術移転を強化して新たな価値創出を目指すと述べた。また、Katherina Reiche経済大臣は、この戦略の目標は、ドイツが利用者であるだけでなく開発者・製造者であり続けることで、そのためには、戦略的利益と将来技術に関わる分野における競争力のある拠点、信頼性の高い枠組み、そして重点的支援が重要だと述べた。

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DAAD、応用科学大学の国際化を推進(10月16日)

ドイツ学術交流会(Deutsche Akademische Austauschdienst:DAAD)は、ドイツ各地の応用科学大学における国際化を促進する21のプロジェクトを引き続き支援する。今回の助成はDAADの「HAW.International」プログラムの一環であり、選ばれたプロジェクトには連邦研究・技術・宇宙省(Bundesministeriums für Forschung, Technologie und Raumfahrt:BMFTR)から2028年までに合計1,000万ユーロ以上が支援される。DAADは、「HAW.International」プログラムにて、2019年から応用科学大学の国際化を特に支援している。プログラムは、学習、教育、研究、技術移転における国際的なパートナーシップやネットワークの戦略的な発展と深化を目的としている。また、実践志向の国際的な教育・研究形式を促進することも目指している。

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1000- Köpfe-Plus(The Global Minds Initiative Germany):ドイツにおける初の研究者支援が開始(10月20日)

アレクサンダー・フォン・フンボルト財団(Alexander von Humboldt-Stiftung:AvH)は、「1000- Köpfe-Plus(The Global Minds Initiative Germany)」の資金を用いて、最初の74名の研究者への支援を開始した。このうち66名がフンボルト研究フェローシップを受け、5名がフンボルト研究賞、3名がフリードリヒ・ヴィルヘルム・ベッセル研究賞の支援によりドイツに滞在する。支援対象者は、カナダ、チリ、中国、米国など、25か国から集まっている。この追加資金により、AvHは海外からの高い需要と過去最多の優秀な応募者に応える形で、より多くの研究フェローシップおよび研究賞を授与することが可能となった。今後更なる「1000- Köpfe-Plus」枠での研究フェローシップおよび研究賞受給者が選出される予定であり、2026年からは、現在協議中の追加支援形式や新しいプログラムラインも実施可能になる見込みである。

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DAAD、社会的に公正なエネルギー転換に向けた独・南ア協力を支援(10月22日)

ドイツ学術交流会(Deutsche Akademische Austauschdienst:DAAD)は、南アフリカにおけるエネルギー転換のための新たなアフリカ卓越センターの設立を支援する。ミュンヘン工科大学と南アフリカの4つのパートナー大学は、「ENERGISE」プロジェクトの一環として、「African-German Centre for Just Energy Transition」を通じて、社会的に公正なエネルギー転換に向けた研究、教育、知識移転を重点的に支援する。2026年から2030年までの資金は約400万ユーロで、連邦外務省(Auswärtigen Amte:AA)および連邦研究・技術・宇宙省(Bundesministeriums für Forschung, Technologie und Raumfahrt:BMFTR)が拠出する。DAADは、新センターを通じて「公正なエネルギー転換」分野で若手研究者の研修を支援する。

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Andrii Mironchenko博士、DFGのvon Kaven名誉賞を受賞(10月22日)

今年度のドイツ研究振興協会(Deutschen Forschungsgemeinschaft:DFG)von Kaven名誉賞は、数学システム理論における優れた研究業績をあげたバイロイト大学のAndrii Mironchenko博士に授与される。賞は、DFGのHeisenbergプログラムやEmmy Noetherプログラムで研究を行う数学者に贈られる。授賞式は10月29日、ボーフムで開催されるドイツ数学者協会(Deutschen Mathematiker-Vereinigung:DMV)のガウス講演会で行われる。

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DFG、1000-Köpfe-plusプログラムで国際的トップ研究者への支援を拡大(10月30日)

ドイツ研究振興協会(Deutschen Forschungsgemeinschaft:DFG)は、連邦研究・技術・宇宙省(Bundesministeriums für Forschung, Technologie und Raumfahrt:BMFTR)が支援する「1000-Köpfe-plus-Programm」における外国人研究者向けの助成対象を拡大する。従来の個別助成に加え、新たな公募である「Global Minds in DFG-Verbünden」では、申請時点で少なくとも3年間海外で活動している研究者を対象とする。海外で活躍する経験豊富な研究者をドイツに招き入れ、新しい科学的視点をもたらすことを目指す。二つの支援形式があり、「教授職」モジュールでは、エクセレントクラスターおよびDFG助成の特別研究領域(Sonderforschungsbereiche)とTransregiosが、長期教授職の任命に必要な要件を満たす海外研究者をドイツに招聘できる。「Mercator Fellow Global」モジュールでは、ドイツでの恒久的な活動を希望していない、もしくはまだ目指していない海外の研究者を、長期的な共同研究の役割を担うフェローとして迎え入れることで、緊密な連携を可能にする。

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