2025年11月

HRK役員会、1名が新任、副会長6名が再任(11月4日)

ドイツ大学学長会議(Hochschulrektorenkonferenz:HRK)は、Osnabrückで開かれた総会において、Walter Rosenthal議長の推薦のもと、副議長1名を新たに選出、6名を再任した。新たに選出されたのは、ビーレフェルト応用科学大学(Hochschule Bielefeld:HSBI)学長のIngeborg Schramm-Wölk教授で、2025年12月1日から「移転と持続可能性」を担当する副議長に就任する。彼女は5年間務めたトリーア応用科学大学(Hochschule Trier)学長のDorit Schumann教授の後任となる。そのほか、教育・国際・研究・高等教育システム・デジタル化・協力文化などの分野を担当する6名の副議長が再任となった。HRKは退任するSchumann教授に対し、大学における知識移転と持続可能性の定着への貢献に感謝の意を表した。

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デュアル大学ザクセンとラウジッツ医科大学がHRKに新規加盟(11月5日)

ドイツ大学学長会議(Hochschulrektorenkonferenz:HRK)は、Osnabrückで開催された総会において、デュアル大学ザクセン(Duale Hochschule Sachsen:DHSN)とラウジッツ医科大学カール・ティーム(Medizinische Universität Lausitz – Carl Thiem)の加盟を決定した。これにより、HRKの加盟校数は272校となる。

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HRK、障害のある学生の学修について、不利な状況の補償に関する勧告を採択(11月5日)

ドイツ大学学長会議(Hochschulrektorenkonferenz:HRK)は、Osnabrückで開催された総会において、健康上の問題や身体・精神疾患を抱える学生が、試験や学業の計画において、学業に支障をきたす、あるいは不可能となるような条件や要件にしばしば直面する状況を変えるために、不利な状況の補償の申請と承認に関する勧告を採択した。HRKのUlrich Bartosch副議長(教育・学修・教員養成担当)は、障害や慢性疾患のある学生には、機会均等で差別のない学修・試験条件を確保するため、透明性と法的確実性のある不利益補償を受ける権利があると述べた。また、Menzel-Riedl副議長(高等教育制度・組織担当)は、「大学には個々の事例ごとに法に適合した解決策を見出す責任があり、今回の勧告により、法的に確かな判断への道筋がより明確になったと補足した。

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HRK、持続可能な開発のための未来を築く場としての大学の強化(11月5日)

ドイツ大学学長会議(Hochschulrektorenkonferenz:HRK)は、Osnabrückで開催された総会において、持続可能性に向けた社会変革におけるドイツの大学の役割に関する基本原則について合意した。この新しい文書は、HRK のこれまでの持続可能性に関する提言を更新・拡充したもので、大学が、教育、研究、知識移転、大学運営、ガバナンスなど、あらゆる分野において、独自の持続可能性の文化と戦略を構築するための具体的な指針を提示している。

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人工知能で腫瘍疾患治療の進歩を目指す(11月5日)

「がん撲滅のための10年」の一環として、連邦研究・技術・宇宙省(Bundesministeriums für Forschung, Technologie und Raumfahrt:BMFTR)は、腫瘍外科における人工知能(AI)の利用を大幅に推進することを目的として、「AI を活用した腫瘍学における精密外科(KIOn)」分野におけるプロジェクトへの助成を開始した。Dorothee Bär研究・技術・宇宙大臣は、KIOnの助成プログラムにより、人工知能を直接手術へ導入し、より正確な手術、合併症の減少、そしてがん患者の生活の質の向上を図ると述べた。

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学業および職業相談の共同支援:連邦雇用庁と大学学長会議が連携強化11月11日)

ドイツ大学学長会議(Hochschulrektorenkonferenz:HRK)は、連邦雇用庁(Bundesagentur für Arbeit:BA)と進学希望者、学生、大学卒業生に対する相談支援における連携を強化する協力協定に署名した。この協力の目的は、教育やキャリアパスに関する質の高い、ニーズに合わせた相談サービスを、若者が利用しやすいようにすることである。特に、学校から大学、そして就職という移行期において、方向性を示し、支援することを目指す。連携によって整理された情報と個別のサポートにより、若者は教育やキャリアパスに関する決定が容易となる。

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HRK議長、匿名ウェブサイトにおけるイスラエルとユダヤ人の科学者への脅威について語る(11月11日)

ドイツ大学学長会議(Hochschulrektorenkonferenz:HRK)のWalter Rosenthal議長は、中東情勢を背景に、イスラエルおよびユダヤ系研究者を個人的に脅迫する内容を掲載していた匿名ウェブサイトについての声明を発表した。このサイトは、脅迫や嫌がらせ、さらには殺害に至るまで、金銭的報酬を提示しており、現在は閉鎖されている。Rosenthal議長は、この行為について非人道的行為であり、深い衝撃を受けると述べ、政治的対立がある状況においてこそ、ボイコットや脅迫、憎悪ではなく、建設的でルールに基づく学術的議論が必要であると述べた。また、学問の自由と研究者個人の安全は、いかなる場合でも守られなければならないと強調した。

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感染後疾患に対する国家的10年計画の開始を発表(11月13日)

Dorothee Bär研究・技術・宇宙大臣は、医療研究分野の関係者とともに、感染後疾患に対する国家的10年計画(2026~2036年)を発表した。総額として5億ユーロを投入し、ME/CFSやウイルス感染後の自己免疫疾患などを対象に、原因や病態の解明、新たな治療法の開発を目指す。計画されているのは以下のとおり。

・病態生理、免疫学、診断法、バイオマーカー、神経・精神領域など幅広い研究への追加支援
・臨床研究・治験の段階的強化
・研究人材を増やすための構造的支援
・患者データの新たな基盤整備
・データを活用したゲノム解析の実施
・AI活用を見据えた、安全なデータ保存・共有環境の構築
・研究者ネットワーク形成、研修、科学的根拠に基づく広報活動の推進

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DAAD、Wissenschaft weltoffen 2025を発表(11月13日)

ドイツ学術交流会(Deutsche Akademische Austauschdienst:DAAD)は、ドイツ高等教育・科学研究センター(Deutsche Zentrum für Hochschul- und Wissenschaftsforschung:DZHW)と共同で報告書「Wissenschaft weltoffen 2025」を発表した。報告書によると、2024/25年冬学期にドイツの大学に在籍する留学生・博士課程学生は約40万2,000人に達し、前年より約6%増加した。留学生の専攻分野では、工学・自然科学系が過半数を占めている。出身地域ではアジア太平洋地域が最多で、なかでもインドは約5万9,000人と最大の送り出し国となった。英語で履修できる学位プログラムも増加を続けており、現在ほぼすべての大学が英語プログラムを持ち、留学生にとって重要な選択要因となっている。また、本報告書では、初めてドイツ連邦統計局による留学生の退学率に関する詳細データを掲載している。このデータによれば、留学生の退学率はドイツ人学生の退学率をわずかに上回る程度であり、従来の推定値より大幅に低いことが示されている。

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スーパーコンピュータJUPITER、欧州初のエクサ・スケール到達(11月18日)

米国オースティンで開催されたスーパーコンピューティング会議において、世界最速のスーパーコンピュータをまとめた最新のTOP500ランキングが発表され、ドイツのユーリッヒ研究センターに設置されたスーパーコンピュータ「JUPITER」が、欧州で初めて毎秒1兆回(エクサ・スケール)の計算能力を達成したことが明らかとなった。Dorothee Bär研究・技術・宇宙大臣は、ドイツが欧州で最初にエクサ・スケール時代に入ったことを強調し、医療、気候シミュレーション、自動運転など幅広い分野でAIモデルが活用される点に大きな期待を示した。また、研究と技術を通じて競争力と技術主権を高める「ハイテク・アジェンダ・ドイツ」の方針に合致すると述べた。

Nordrhein-Westfalen州のIna Brandes文化科学大臣は、計算能力を「新たな資源」と位置づけ、JUPITERが基礎研究と産業応用を結びつけ、医療やモビリティ分野での新たな解決策を生み出すと評価した。

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DFG、9つの特別研究領域を新設(11月21日)

ドイツ研究振興協会(Deutschen Forschungsgemeinschaft:DFG)は、大学における最先端の研究をさらに強化するため、9つの新しい特別研究領域(Sonderforschungsbereiche:SFB)を設立する。新領域は、菌類を活用した建築材料、自己免疫疾患、分子レベルのホウ素化学など多岐にわたり、2026年4月からの3年9か月間、総額約1億2000万ユーロの助成を受ける。また、既存のSFB32件についても、 1 期分の助成期間延長が承認された。SFBは、革新的で高度、かつ長期的に構想された研究プロジェクトを共同で取り組むことを可能にし、申請を行った大学における重点分野および構造形成に貢献することを目的としており、最長12 年間の助成が行われる。これにより、DFG が2026 年 4 月から支援する研究領域は、合計 257件となる。

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BMFTR、Sachsen州、Sachsen-Anhalt州が大型研究センターを設立(11月24日)

連邦研究・技術・宇宙省(Bundesministeriums für Forschung, Technologie und Raumfahrt:BMFTR)は、Sachsen州およびSachsen-Anhalt州と共同で、二つの新しい大規模研究センターを設立する。両州とともに「Center for the Transformation of Chemistry (CTC) gGmbH 」を、Sachsen州と共同で「Deutsche Zentrum für Astrophysik (DZA) gGmbH」を設立する。Dorothee Bär研究・技術・宇宙大臣は、2つのセンターの設立は、ドイツの科学分野における地位を持続的に強化するものであり、両州と協力し、化学および天体物理学において国際的に新たな基準を打ち立てると述べた。2038 年までに、新しいセンターには連邦政府から最大 22 億ユーロが提供され、さらに参加州からの資金も追加される。石炭地域投資法に基づく資金は、DZA については連邦政府が 90%、Sachsen州が 10%、CTC についてはSachsen州とSachsen-Anhalt州が 90% と 10% の割合で負担する。

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ドイツ、ESA閣僚会議で過去最高の拠出を表明(11月27日)

ドイツのBremenで開催された欧州宇宙機関(European Space Agency:ESA)の閣僚会議にて、ドイツは連邦予算から過去最高となる総額54億ユーロを拠出することを表明し、ESA加盟国の中で最大の拠出国となった。Dorothee Bär研究・技術・宇宙大臣は、厳しい財政状況の中でも拠出額を大幅に増やせたことに誇りを示し、また、今回初めてドイツのESA拠出に参加した連邦国防省への感謝を表明した。

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DFG、11件の新しい大学院研究プログラムを助成(11月27日)

ドイツ研究振興協会(Deutschen Forschungsgemeinschaft:DFG)は、若手研究者の育成をさらに強化するため、新たに11件の大学院研究プログラム(Graduiertenkolleg:GRK)の設置を決定した。これらのGRKは2026年春から5年間、総額約8,200万ユーロの助成を受ける。新設されるプログラムのテーマは、大脳皮質の発達異常から食の多様性回復に至るまで幅広い分野に及んでおり、このうち1件はオーストラリアの機関と連携する国際大学院研究プログラム(Internationale Graduiertenkollegs:IGK)である。11件に加え、日本およびカナダをパートナーを持つ2つのIGKを含む既存のプログラム10件についても、それぞれ次の助成期間への延長が決定した。GRKは、高度な専門知識を備えた構造化された研究・資格認定プログラムで博士号を取得する機会を提供するもので、現在、DFGは全体で209件のGRKを助成しており、そのうち29件がIGKとなっている。

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DFG、GWKにおかるプログラム間接経費補助引き上げに関する合意を歓迎(11月27日)

ドイツ研究振興協会(Deutschen Forschungsgemeinschaft:DFG)は、連邦および州による合同科学会議(Gemeinsamen Wissenschaftskonferenz:GWK)が、プログラム間接経費補助(Programmpauschale)を現行の22%から25% に引き上げることで合意したことを歓迎した。この引き上げは、DFGが必要と認識している 30%には及ばないものの、厳しい財政状況の中で科学研究の強化に向けた重要な兆しであり、前向きな第一歩であると評価した。DFG は、国際競争力を維持するため、今回決定された引き上げ分の一部を負担する用意があるとし、助成金交付に追加の負担が生じるものの、その必要性を認識している。そのため、研究・イノベーション協定(Pakts für Forschung und Innovation:PFI)を2030年以降も継続することが、これまで以上に重要であるとしている。

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アレクサンダー・フォン・フンボルト教授職に新たに4名が選出(11月27日)

アレクサンダー・フォン・フンボルト財団(Alexander von Humboldt-Stiftung:AvH)は、ドイツで最も高額かつ名誉ある国際的な研究賞「アレクサンダー・フォン・フンボルト教授職(Alexander von Humboldt Professorship)」に、新たに4名の研究者を選出した。この賞は最大500万ユーロの研究資金と高い自由度を伴い、受賞者はドイツの研究機関で長期的に最先端研究を行うことができる。今回選ばれたのは、有機バイオエレクトロニクスの先駆者であるSahika Inal氏、分析哲学の研究者であるMichael Moehler,氏、免疫学者のJan Rehwinkel氏、そして地球システム科学におけるAI活用の第一人者であるPierre Gentine氏である。

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