2025年4月

Shortlinks

ドイツ・カナダ共同議長国による、16か国参加の循環型価値創造に関する国際助成プログラムを開始(4月1日)

ドイツとカナダは、国際研究ネットワーク「Eureka」の共同議長国として、16か国と連携し「循環型価値創造」に関する大規模な国際助成プログラムを発表した。これはEurekaの40年の歴史の中で最大規模の共同支援である。ドイツ連邦教育研究省(Bundesministerium für Bildung und Forschung :BMBF)は、循環型価値創造に関する先駆的な研究・イノベーションプロジェクトを対象としたEureka助成金公募に投資を行うこととした。Cem Özdemir教育・研究省担当大臣は、この分野での研究・技術開発に投資し、循環性の概念を製品のライフサイクルやバリューチェーン、企業のビジネスモデルに取り入れることが重要と述べ、デジタル技術やデータ活用にも期待を寄せた。この国際的な取り組みは、気候変動や資源問題などのグローバルな課題に対応する鍵となり、ドイツとカナダの科学技術協力の強化も象徴している。

詳細はこちら。(ドイツ語)


研究不正行為:書面による注意と3年間の申請禁止措置(4月2日)

ドイツ研究振興協会(Deutschen Forschungsgemeinschaft:DFG)は、研究不正行為に対する措置として、ある科学者に対して書面による厳重注意と3年間の助成金申請禁止を決定した。この科学者は、DFGへの助成金申請書の中で、他の研究者の論文から多くの文章や図表を出典を明記せずに無断転載していたことが発覚した。DFGの調査委員会がこれを明確な盗用(プラギアート)と判断し、不正行為があったと正式に認定した。研究倫理に対する重大かつ意図的な違反とみなし、今後3年間の申請資格停止とする厳しい処分を決定した。これは、研究倫理と学問の自由を守るための強いメッセージでもある。

詳細はこちら


大学医学ネットワーク(NUM)への資金継続:ドイツの臨床研究を次の段階へ(4月7日)

ドイツ連邦教育研究省(Bundesministerium für Bildung und Forschung:BMBF)は、2025年7月からの「大学医学ネットワーク(Netzwerk Universitätsmedizin :NUM)」の支援を第3次助成フェーズとして、今後5年間の継続を決定した。厳しい財政状況にもかかわらず、この支援によりドイツ全37の大学病院が参加する全国的・学際的な医療研究ネットワークの活動は止まることなく続けられる。新たな助成により、全国規模の臨床研究とデータ基盤の整備が更に進み、将来のパンデミックや大規模な健康危機への備えが強化されることとなる。Cem Özdemir教育・研究省担当大臣は、コロナ禍の中で始まり、これまでにない協力体制によって医療と研究の連携を強化し、患者に具体的な利益をもたらしたことを評価し、NUM責任者であるシャルテ・ベルリン大学医学部(Charité – Universitätsmedizin Berlin)のHeyo K. Kroemer教授は、NUMはパンデミック対応を超えた臨床研究分野での中核的存在に成長したと述べ、ドイツの国際競争力回復への期待を語った。

詳細はこちら。(ドイツ語)


臨床研究における「ジェンダー・データギャップ」解消を目指す(4月8日)

2025年4月から、ドイツでは臨床研究における「ジェンダー・データギャップ(性別によるデータの偏り)」を減らすための新たな研究助成が本格的に始動することを受け、ベルリンにて初のキックオフ会合が開催された。ドイツ連邦教育研究省(Bundesministerium für Bildung und Forschung:BMBF)のClaudia Müller政務次官は、病気の症状の現れ方や、発症頻度、重症度、薬の効果、持続時間は性別によって異なるが、これまでは男性由来のデータが多く、女性に最適化された医療が不十分であると語り、すべての人に平等な医療を届けるには、性差を考慮した医学の発展が不可欠と述べた。この取り組みは、ドイツ連邦議会の要請を受けて始まったもので、BMBFは総額約570万ユーロを投じて43の研究プロジェクトを支援する。主な目的は、男女別の治療効果に関する新しい知見の創出、患者視点での重要課題の特定、若手研究者の育成、そして研究者間のネットワーク強化である。

詳細はこちら。(ドイツ語)


BMBF、イスラム主義研究に追加で1500万ユーロを投資(4月8日)

ドイツ連邦教育研究省(Bundesministerium für Bildung und Forschung :BMBF)は、2020年から進めているイスラミズム(イスラム過激主義)に関する研究への支援を今後も同様の規模で継続するため、2026年から新たに最大1500万ユーロを投じると発表した。Cem Özdemir教育・研究省担当大臣は、最近のイスラミズムによるテロ事件は深刻な警鐘であり、国家と社会がこの脅威に断固として立ち向かうため、イスラミズムの発生メカニズムを理解し、対処法を見出すためには科学と研究の力が不可欠であると述べ、特に若年層の急速な過激化が懸念されており、宗教的帰属による不信の蔓延は、社会の分断やさらなる過激主義を招く危険があるとした。BMBFは「ドイツと欧州におけるイスラミズムの社会的原因と影響」をテーマに12の研究プロジェクトを支援し、そこで得られた知見は、政策立案や予防策に活用されている。新たな支援では、難民経験と過激化の関係や、オンラインでの過激化など現代的な課題への理解を深め、予防・離脱支援・脱過激化の取り組みにつなげることが狙いである。

詳細はこちら。(ドイツ語)


大学における反ユダヤ主義に関する第2回迅速調査結果が発表(4月9日)

ドイツ連邦教育研究省(Bundesministerium für Bildung und Forschung :BMBF)は、大学における反ユダヤ主義(アンチセミティズム)に関する2回目の迅速調査の結果を発表した。今回は初めて学生だけでなく大学の運営側にもアンケートが行われた。調査では、社会全体よりは低いものの、学生のうち6~7%が反ユダヤ的な考えを持っている実態が判明した。Cem Özdemir研究大臣は、大学でも反ユダヤ主義は容認されてはならず、ユダヤ人の学生や教員が安全に学べる環境づくりが不可欠と述べた。ドイツ大学長会議(Hochschulrektorenkonferenz:HRK)のGeorg Krausch副会長は、大学には反ユダヤ主義の余地はなく、声明だけでは不十分で、実際の行動と教育が必要と述べ、予防と啓発の重要性を訴えた。多くの大学がすでに反ユダヤ主義対策の相談窓口を設置している点は評価されており、今後もその取り組みを拡充し、大学コミュニティ全体に周知していくよう呼びかけた。

詳細はこちら。(ドイツ語)


独・仏・ポーランドの大学学長会議がEU次期研究・イノベーション枠組み計画の継続と強化を求める(4月8日)

ドイツ大学学長会議(Hochschulrektorenkonferenz:HRK)、フランス大学長会議(France Universités)及びポーランド大学学長会議(Konferencja Rektorów Akademickich Szkół Polskich:KRASP)は、国の大学を代表する機関として、EUの研究・イノベーション枠組み計画(フレームワーク・プログラム)の第10期の実施を求める声明を発表した。3カ国の学長会議は、EU加盟国によって採択された「ワルシャワ宣言」が、将来の研究支援体制に対する明確なコミットメントを歓迎し、欧州議会が求めている、大学における研究を効率的かつ包括的に支える資金制度の整備を後押ししている。

詳細はこちら。(ドイツ語)


HRK会長によるCDU・CSU・SPDの連立協定に関する声明(第21立法期)(4月9日)

ドイツ大学学長会議((Hochschulrektorenkonferenz:HRK)のWalter Rosenthal会長は、発表されたキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)及び社会民主党(SPD)による第21立法期の連立協定について、教育・研究・イノベーションの重要性が明確に示されたことを歓迎した。大学の役割が、教育・研究・社会への知識移転、さらに国際的な連携においても十分に反映されていると評価し、大学政策および高等教育の所管が引き続き「研究・技術・宇宙省」にあることを前提とし、教育やデジタル化といった横断的な課題についても、今後の連邦政府内で適切に調整されることへの期待を述べた。また、大学インフラ整備の迅速化やBAföG(連邦職業教育促進法に基づく学生支援制度)の大幅改正、など、HRKの要望に沿った施策が盛り込まれている点肯定的に評価した。

詳細はこちら。(ドイツ語)


ドイツ科学機関連合が、CDU/CSUとSPDの連立協定を強く支持(4月14日)

ドイツの主要な科学団体から成る科学機関連合(Allianz der Wissenschaftsorganisationen)は、CDU/CSUとSPDによる新たな連立協定への強い支持を表明した。この協定は、研究・教育・イノベーション拠点を発展させるという明確な方針を示しており、特に、研究・教育・イノベーションに関する項目は、学問の自由の重要性と、幅広い分野にわたる研究の社会的意義を再確認する上で、重要なメッセージを発していると評価された。官僚主義の削減、基礎研究から応用研究までの資金支援の一元化などが支持されており、加えて大学インフラの迅速整備や「未来契約 Studium und Lehre(学びと教育の未来契約)」の継続も重要な一歩とされている。また、連立協定が、健康・海洋・気候・安全保障・人文社会などの分野を戦略的研究テーマと位置づけた点や、「研究・技術・宇宙開発省(Bundesministerium für Forschung, Technologie und Raumfahr:BMFTR)」の新設も、イノベーション重視の姿勢として評価されている。今後は、これらの方針を資金的・制度的に裏付けた具体策として、迅速に実行に移すことが求められる。

詳細はこちら。(ドイツ語)


ドイツ語教育のコミュニケーションで権威あるコミュニケーター賞の受賞者が決定(4月14日)

ドイツ研究協会(Deutschen Forschungsgemeinschaft:DFG))と寄付者協会(Stifterverbandes)は、2025年の「コミュニケーター賞」は、フンボルト大学に所属するドイツ語教育学者、Petra Anders教授に授与すると発表した。Anders教授が開発した、小学校段階での読解力と言語能力の向上を目的とした卓越した科学コミュニケーションが評価された。審査委員会は、Anders教授の小学校のドイツ語教育において理論と実践を融合させ、絵や映像を取り入れたマルチモーダルな指導法は、コミュニケーションが多様な対象に合わせて工夫されており、移民が多い社会で、言語能力を社会参加と自立の手段として強化する重要な貢献であると評価した。なかでも、多様な対象層との対話を可能にする発信力と、ドイツの教育論議における貢献の大きさを特に称賛した。授賞式は6月30日にハンブルクで開催されるDFG年次総会の場で行われる。

詳細はこちら。(ドイツ語)


ドイツの西アフリカにおける海外学術ネットワークを強化― DAADがガーナに新拠点を設立(4月24日)

ドイツ学術交流会(Deutschen Akademischen Austauschdienst:DAAD)は、ガーナの首都アクラに新たな海外拠点(外部事務所)を開設し、西アフリカ地域との学術交流を強化する。ガーナ、カメルーン、ナイジェリアを対象に活動し、同地域におけるドイツの科学外交を担う。DAAD会長のJoybrato Mukherjee教授は、アフリカの人口は2050年までに世界の25%を占めると予測されており、高等教育の需要も急増することに触れ、これらの国々がドイツにとってますます重要な学術パートナーになると述べた。この拠点では、学生や研究者への現地での相談対応、ドイツの学術環境の広報、大学間連携の促進が行われる。DAADは、2025年末までに、世界全体で2018年に71あった拠点を55拠点(21の海外事務所と34の情報センター)に再編する予定である。

詳細はこちら。(ドイツ語)


アレクサンダー・フォン・フンボルト教授職(Humboldt-Professur)授与式を5月5日にベルリンにて開催予定(4月28日)

5月5日に、ベルリンにてドイツ最高額の国際研究賞である「アレクサンダー・フォン・フンボルト教授職」の授与式が開催の予定である。賞の授与は、Cem Özdemir教育・研究省担当大臣と、Robert Schlöglフンボルト財団会長によって行われる。この賞は、世界中の優れた研究者をドイツの大学へと招き、研究の場を提供することを目的としている。受賞者は最大500万ユーロ(約8億円)の研究資金を受給し、ドイツ国内で最先端研究の実施と財政的・制度的条件と柔軟性が保証される。今年は、6名の受賞者が発表され、それぞれドイツのデュースブルク=エッセン大学、エアランゲン=ニュルンベルク大学、ハンブルク大学、ケルン大学、ライプツィヒ大学、ポツダム大学に新たに加わることとなった。なお、2020年から実施されていた「人工知能(AI)」分野に特化したフンボルト教授職の授与は2025年を最後に終了となる。

詳細はこちら。(ドイツ語)


ドイツとウクライナ、大学間連携を強化 ― DAADが29件のプロジェクトに資金援助(4月30日)

ドイツ学術交流会(Deutschen Akademischen Austauschdienst:DAAD)は、「独ウクライナ大学ネットワーク」プログラムを通じて、ドイツとウクライナの大学間の連携を強化するため、29件の大学間協力プロジェクトを4年間の助成対象として採択した。プログラムは「学習・教育分野」と「大学運営・国際化支援分野」で構成されており、資金はドイツ連邦教育研究省(Bundesministerium für Bildung und Forschung:BMBF)から2029年までに総額2,400万ユーロが拠出される。ウクライナの高等教育機関の復興と、ヨーロッパ大学制度への統合を目的とした、ロシアによる侵攻で打撃を受けたウクライナの教育界に対する長期的な支援の一環であり、支援対象には、ハノーファー医科大学、ミュンヘン大学、カールスルーエ工科大学など、ドイツ国内の有力大学も多数含まれている。

詳細はこちら。(ドイツ語)