ベルリンで「6Gカンファレンス」が開幕(7月1日)
2025年7月1日、ドイツ連邦研究・技術・宇宙省(Bundesministeriums für Forschung, Technologie und Raumfahrt:BMFTR)の支援を受け、ドイツ6Gプラットフォームが主催する「6Gカンファレンス」がベルリンで開幕した。今年は6Gにおける標準化、強靱性、国際協力が主要な議題となっている。Dorothee Bär研究・技術・宇宙大臣は、6Gの自国開発がドイツのデジタル主権を確立するために欠かせないと強調し、産業界や学術界に加え、国際的なパートナーを早急に構築し、戦略的に取り組む必要があると述べた。
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DFG、年次総会を開催(7月2日)
ドイツ研究振興協会(Deutsche Forschungsgemeinschaft:DFG)は2025年7月2日、ハンブルクにて年次総会を開催した。世界的に広がる科学や学問の自由に対する攻撃が増加していることが主なテーマとなった。DFG会長のKatja Becker教授は、スピーチのなか米国の現状を「科学に対する戦争」と表現し、資金削減、法の操作、イデオロギーの押し付けなどが独立した思考を行う人々を弱体化させる手段として体系的に用いられていると警鐘を鳴らし、影響を受けた組織及び研究者との国際共同研究やデータ共有といった具体の支援の実施及び連携強化を呼びかけた。その他のテーマとして、新政権の初期の科学政策イニシアティブ、70のエクセレンスクラスター決定などがあった。また、サイエンスコミュニケーションへの優れた貢献を讃える「コミュニケーター賞」には、初等教育における読解力及び言語力向上に取り組むフンボルト大学のPetra Anders教授が選ばれた。
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DFG、新しい副会長が就任(7月2日)
ドイツ研究振興協会(Deutsche Forschungsgemeinschaft:DFG)は、2025年7月2日にハンブルクで開かれた年次総会で、経済学者のCaren Sureth-Sloane教授(パーダーボルン大学)を新たな副会長に選出した。また、物理学者のKarin Jacobs教授(ザールラント大学)と化学者のPeter H. Seeberger教授(マックス・プランク研究所)は再任となり、社会学者のMatthias Koenig教授(ハイデルベルク大学)は任期を終え退任する。Sureth-Sloane教授は企業課税や国際税制、税の複雑性と透明性が経営判断に与える影響を研究してきた。これまでDFGの経済学評価委員会やDFG評議会(Senate)、パンデミック研究に関する学際委員会を務めた。また、多数の学術賞を受賞しており、オーストリア・グラーツ大学やドイツ・ブレーメン大学から名誉博士号も授与されている。
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DFG、6名の新しいDFG評議会メンバーを選出(7月2日)
ドイツ研究振興協会(Deutschen Forschungsgemeinschaft:DFG)は、ハンブルクで開かれた年次総会にて新たに6名の研究者を中心的科学機関(central scientific body)であるDFG評議会(Senate)メンバーに選出した。6名のうち、1名は人文社会科学、2名は生命科学、2名は自然科学、1名は工学分野に属しており、任期は2026年1月1日から開始となる。また、6名が2期目(3年間)の再選となった。評議会はDFGにおける中心的科学機関で、DFGの基本方針や重要事項を議論・決定する。評議会は39名で構成され、そのうち36名は会員総会で選出される。他3名は、ドイツ大学学長会議やドイツ自然科学・人文科学アカデミー連合、マックス・プランク協会などの代表が職務上のメンバーとなっている。
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DFG、7つの新しい研究グループを設立(7月2日)
ドイツ研究振興協会(Deutschen Forschungsgemeinschaft:DFG)、新たに7つの研究グループを設立することを決定した。新たなグループは間接経費22%を含めて総額約3,300万ユーロが助成され、既存の3グループについても助成期間が延長される。この研究グループは、研究者が専門分野の重要かつ緊急性の高い課題に取り組み、革新的な研究方向を確立するための制度で、最長8年間にわたって助成を受ける。現在、DFGは188の研究グループ、10の臨床研究グループ、17の人文・社会科学高度研究センターを助成している。新設される研究グループのテーマは、都市部の社会・生態系に着目した「持続可能な都市-農村連関(Rurbanität)」や、インフラの社会文化的依存関係と美学を探る「インフラ:美学と供給」などがある。
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AvH、Aleksander Bursche教授へ2025年のライマー・ルスト賞を授与(7月3日)
アレクサンダー・フォン・フンボルト財団(Alexander von Humboldt-Stiftung:AvH)は、ポーランドの考古学者であり貨幣学者のAleksander Bursche教授(ワルシャワ大学)に、ドイツと他国との学術・文化交流に貢献した人文社会科学系研究者に贈られる国際的な賞である「ライマー・ルスト賞(Reimar Lüst-Preis)」を授与した。Bursche教授はローマ貨幣とローマ帝国外(バルバリクム)での流通に関する研究を通じ、貨幣を単なる経済手段としてではなく、コミュニケーションの象徴や媒体として分析することで、ローマとゲルマン諸部族の関係や後期古代の経済・政治・アイデンティティのネットワークに関する新たな学術的視点を提供した。Bursche教授はこれまで、ドイツとフンボルト奨学金やキール大学での客員教授職を通じて深い交流を続けており、今回の受賞により、ライプニッツ考古学センターなどにおける研究滞在が可能となる。
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DFG、不正行為の医師2名への処分を決定(7月4日)
ドイツ研究振興協会(Deutschen Forschungsgemeinschaft:DFG)は、ハンブルクで開かれた年次総会にて、キール大学のSimone Fulda教授とウルム大学附属病院のKlaus-Michael Debatin教授の科学的不正行為に対する処分を決定した。DFGの主要意思決定機関である協議会(Hauptausschuss)は、両名に対して書面による戒告を行い、さらにFulda教授にはDFGに対する1年間の申請資格停止処分を課した。調査委員会による調査は、画像の不適切な複製や改ざんが行われた可能性があるというもので、Fulda教授は2001~2019年においてDFG助成対象の11論文のうち8件に客観的な誤りが認められ、Debatin教授はレビュー対象9論文のうち6件で客観的誤りが確認された。
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DFG、不正行為へのさらなる処分の決定(7月4日)
ドイツ研究振興協会(Deutschen Forschungsgemeinschaft:DFG)は、科学的不正行為が確認された研究者に対し、書面による戒告を行うとともに、3年間にわたるDFGへの申請資格停止及び査読者としての活動の禁止を決定した。対象となった研究者は、ハビリテーション論文(大学教授資格論文)において大規模な盗用を行ったとされている。大規模な盗用という事実の重大性を踏まえ、調査委員会は厳しい処分を提案。最終的にDFGの共同委員会がこれを承認し、今回の決定に至った。
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DFG、連邦政府とGWKによるNFDIの継続支援を歓迎(7月4日)
ドイツ研究振興協会(Deutschen Forschungsgemeinschaft:DFG)は、連邦政府と各州の共同学術会議(Gemeinsame Wissenschaftskonferenz:GWK)が「国家研究研究データ基盤(Nationale Forschungsdateninfrastruktur:NFDI)」の第二期において、継続支援を決定したことを歓迎する。これにより、2020年の第一期公募で採択された9つの専門分野別・方法論別コンソーシアムすべてが、引き続き支援される。第2期では、コンソーシアムの統合を重点的に進め、研究データの安全な保存と幅広いアクセスを保証する包括的な研究データ管理システムの構築・発展を目指す。NFDIの目的は、研究データを安全に広く保存・活用できる仕組みを整備し、ドイツの研究基盤とデジタル主権を強化することであり、2020年から2022年にかけて、既に26のコンソーシアム及びNFDI全体の基盤サービスを担う1つのコンソーシアムが支援対象となっている。本件に対しDFGのKatja Becker会長は、データのための信頼できる国際水準の情報基盤をドイツに確立するうえでの大きな一歩と述べた。
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研究インフラ整備による国際競争力強化(7月8日)
ドイツ連邦研究・技術・宇宙省(Bundesministeriums für Forschung, Technologie und Raumfahrt:BMFTR)は、ドイツ科学評議会(Wissenschaftsrat)や評価委員会(Bewertungsgremien)と協力し、大規模研究インフラに関する国家優先度審査で選ばれた9件の有望プロジェクトの最終選考リストを発表した。応募32件の中から選定されたこれらのプロジェクトは、科学的卓越性や計画の完成度、国際的意義などで高く評価されている。Dorothee Bär研究・技術・宇宙大臣は、大胆な研究インフラへの投資こそがドイツのとEUの将来の技術的・デジタル主権を確保し、国際競争力を支える基盤であると述べた。ドイツ科学評議会のWolfgang Wick議長は、選出されたプロジェクトは様な分野で高い科学的潜在力を持ち、国際的に大きな学術的意義を持つと述べ、評価、評価委員会のUwe Cantner氏は、プロジェクトが産業や社会への波及効果や新市場の創出につながることへの期待を述べた。
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留学生、ドイツでの就職希望が多数 -労働市場に大きなチャンス-(7月15日)
ドイツ学術交流会(Deutsche Akademische Austauschdienst:DAAD)が、ドイツ国内約130の大学、20,000人以上の留学生を対象に調査を行ったところ、約3分の2が卒業後もドイツに留まる意向を持つことがわかった。特に経済学、工学、情報学の学生が多く、半数は起業にも関心を示している。DAADのJoybrato Mukherjee会長は、この状況はドイツの人材確保や将来の競争力向上に大きなチャンスであると述べた。留学生がドイツを選ぶ理由として、学費負担の軽さ、魅力的なキャリアの見通し、英語で学ぶことのできるプログラムの充実が挙げられた。一方でドイツでキャリアをスタートする準備が整っていると回答した留学生はわずか約3分の1であり、多くの留学生は、キャリアサービスや語学コース、企業との接点等のサポートを望んでいる。こうした状況を踏まえ、2024年からDAADは「国際人材育成のためのキャンパス・イニシアチブ(Campus-Initiative Internationale Fachkräfte)」を通じて、100以上の大学で留学生向けキャリア支援を拡充している。
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DFG、ベルント・レンデル賞を2名の若手研究者へ授与(7月21日)
ドイツ研究振興協会(Deutschen Forschungsgemeinschaft:DFG)は、地球科学分野での有望かつ独創的な博士前研究を称えるベルント・レンデル賞を、2025年はケルン大学の博士課程学生Katharina Seeger氏と、アルフレート・ウェゲナー研究所の博士課程学生Taina Marcos Lima Pinho氏に授与することを発表した。Seeger氏は、河川デルタや低地沿岸地域における海面上昇や高潮、津波などの浸水に対する脆弱性を研究し、Pinho氏は、南極の氷床と南極海の複雑な相互関係を解明することを目指し、後期第四紀(過去260万年)の気候変動を研究している。授賞式は9月にゲッティンゲンで開催されるドイツ地質学会-地質学協会(Deutsche Geologische Gesellschaft – Geologische Vereinigung:DGGV)の年次総会で予定されており、受賞者にはそれぞれ3,000ユーロが贈られ、国際学会への参加費用などに活用される。
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ドイツ、国際研究者招致へ「1,000人プラス・プログラム」を開始(7月28日)
ドイツ連邦研究・技術・宇宙省(Bundesministeriums für Forschung, Technologie und Raumfahrt:BMFTR)は、世界的に進む科学者への制約や研究自由度の低下に対応するため、国外の優秀な研究者がドイツで研究や教育を継続できるよう支援する「1,000人プラス・プログラム(1.000-Köpfe-Plus-Programm(英語名称Global Minds Initiative Germany))」をスタートさせた。この取り組みは、既存プログラムを基盤とし、学生や博士課程の研究者など幅広く受け入れる体制を強化するもので、海外の優秀な研究者1,000人をドイツに招へいすることを目的とする既存の「1,000人プログラム」を拡充し、より多くの国際的研究者や留学生、若手研究者を対象とするのである。アレクサンダー・フォン・フンボルト財団(Alexander von Humboldt-Stiftung:AvH)やドイツ研究振興協会(Deutschen Forschungsgemeinschaft:DFG)、ドイツ学術交流会(Deutsche Akademische Austauschdienst:DAAD)と連携して実施され、幅広いキャリア段階に対応にするとともに、「科学の自由」の確保を重視し、世界的な人材流動性(Brain Circulation)を促進することを目的としている。
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ドイツ連邦政府、「ハイテク・アジェンダ」を閣議決定(7月30日)
2025年7月30日、ドイツ連邦内閣は「ハイテク・アジェンダ・ドイツ(Hightech Agenda Deutschland)」を正式に閣議決定した。Dorothee Bär研究・技術・宇宙大臣は、この決定により、研究と技術投資を通じた競争力向上、価値創出、技術的・デジタル主権の確保に向けたスタートが切られたと述べ、今後将来の技術へ重点投資を行い、研究成果を迅速に実用化するための制度やインセンティブを整備すると説明した。また、研究力を競争力に転換し、ドイツの産業競争力を再強化すると述べ、技術が国民生活を豊かにし、利便性を高め、国際的依存の低減を目指すと語った。さらに、ハイテク・アジェンダの成功には連邦政府だけでなく、科学界、産業界、社会、市民、各州や欧州連合(EU)の協力が不可欠であると述べた。
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