2025年8月

DAAD、EUのPACA認定取得 ― ブリュッセル事務所を欧州ハブに拡充(8月14日)

ドイツ学術交流会(Deutsche Akademische Austauschdienst:DAAD)は、欧州委員会の厳格な「Pillar Assessment」を通過し、初めてドイツの学術機関として「Pillar Assessed Contribution Agreement(PACA)ステータス」を取得した。PACAは、会計処理や法令遵守、内部管理体制などを徹底的に審査し、EU資金を効率的かつ合法的に扱えると認められた組織だけに付与されるステータスである。この認可により、今後は世界の教育・科学分野における協力プロジェクトの実施を委託されることが可能となる。役割強化に伴い、DAADはブリュッセル事務所を「EU連携オフィス」として拡充され、EUとの連絡事務所となる。さらにボン本部にはPACA専任チームが新設され、プロジェクト運営を支援する。

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DAADとフンボルト財団、ガザとイスラエル情勢に共同声明(8月18日)

アレクサンダー・フォン・フンボルト財団(Alexander von Humboldt-Stiftung:AvH)のRobert Schlögl会長とドイツ学術交流会(Deutsche Akademische Austauschdienst:DAAD)のJoybrato Mukherjee会長は、ガザとイスラエルでの現状について共同声明を発表した。両氏は、ガザの現在の状況と人道危機に深く心を痛めており、人道支援の必要性について述べるとともに、特に教育と研究への長期的な影響を懸念し、戦争終結後には、学校や大学、研究インフラの復興をドイツが積極的に支援する必要があると述べた。また、5人の大学学長やイスラエル科学アカデミー会長など、イスラエルの学術界による、停戦や人質解放を求める呼びかけを支持し、イスラエルの国家・人々・学術への揺るぎない連帯を表明した。

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GAIN年次会議が米国ボストンで開幕(8月29日)

米国ボストンで、ドイツ学術国際ネットワーク(German Academic International Network:GAIN)の2025年年次会議が開幕した。GAINは、世界で活躍するドイツ人研究者のための最大のネットワーキングで、毎年、ドイツの学術、政治、ビジネス界の代表者と研究者が一堂に会すネットワークイベントとして開催される。

本会議には、ドイツ連邦政府を代表してRolf-Dieter Jungk国務長官が出席し、国際的に活躍する研究者にドイツでの新しいキャリアの可能性を開く「1000人プラス・プログラム」を紹介した。Dorothee Bär研究・技術・宇宙大臣は、活発なネットワークとアイデアの交換は、科学の進歩の基盤であり、ドイツはこの分野において信頼できるパートナーでありたいと述べるとともに、2025年GAIN会議が「協力」に焦点を当てたものとなることを歓迎した。

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DFG、ワシントンで独米科学協力円卓会議を開催(8月29日)

ドイツ研究振興協会(Deutschen Forschungsgemeinschaft:DFG)は、米国ワシントンの国立アメリカ・インディアン博物館にて、独米双方の主要学術機関や、大学、助成機関の代表者約30名が参加する円卓会議を開催した。2024年8月の第1回会合に続き2回目の開催となる今回は、変化する地政学的状況を踏まえた国際科学協力の再評価がテーマとなり、現在の大西洋を跨ぐ研究パートナーシップを強化すると同時に、二国間及び世界的に新たな研究協力の道筋を開拓する必要性についても合意がなされた。また、研究者の国際的な循環(Brain Circulation)を推進し、研究が行われる場所に関係なく、国際的な人材交流によって地球規模の課題へ取り組み、成功の見通しを高めることの重要性も確認した。

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