2025年2月

フンボルト財団研究評価改革を進めるCoARAに参加(2月4日)

フンボルト財団(Alexander von Humboldt-Stiftung:AvH)は「研究評価の改革に関する合意」を推進するための有志連合 (Coalition for Advancing Research Assessment:CoARA)に参加にし、世界的な学術評価と業績評価の改革を促進する活動に加わった。この連合は、学術研究の評価方法を見直し、より多様で公平な基準を導入することを目指している。この活動は、財団の新戦略「変化する世界に対応するレジリエントな科学」と「実践的多様性のアジェンダ」の実現に貢献する。

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ドイツの大学におけるサイバーセキュリティ強化のための連邦政府の責任強化を求める(2月5日)

ドイツの高等教育機関はサイバー攻撃のリスクが増しており、2025年2月5日、大学学長会議(Hochschulrektorenkonferenz :HRK)は、デジタル化常任委員会の提言を発表し、サイバーセキュリティ強化に向けた次期政府に大学への財政支援を求めた。HRKは、サイバー脅威の防止、早期警戒システムの改善、サイバーセキュリティに関する研究の強化を提言し、特に大学が他の機関との協力で得たデータへのサイバー攻撃が経済競争力に与える影響についても言及している。

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サクソン=アンハルト州南部をデジタル医療とヘルスケアの未来を支える拠点へ(2月6日)

連邦教育研究省(Bundesministerium für Bildung und Forschung : BMBF)は、サクソン=アンハルト州南部でのデジタル医療技術の研究開発に最大1億4000万ユーロを支援する。この支援は、地域の医療環境を改善し、デジタル技術の導入を促進することを目的としている。フートマッハー事務次官は、「サクソン=アンハルト州南部は、デジタル医療とヘルスケアの未来を切り開く重要な拠点とし、AIや支援ロボットなどの新技術が現地で活用されることで、医療・介護の質が向上し、介護者の負担軽減と長期的な医療の安定性が期待される」と述べた。この支援は、「介護と医療のデジタル化推進プロジェクト(Transformation von Pflege und Gesundheitsversorgung:TPG)」のもとで行われる予定である。TPGとは、ハレ大学医学部のプロジェクトチームが中心となり、科学・経済・地域社会の各分野でデジタル化を進め、南ザクセン=アンハルト州の医療・介護環境をより良くしていくプロジェクトである。

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「研究、教育、イノベーション、学習環境の支援には、連邦政府の協力も欠かせない」- 連邦議会選挙への参加呼びかけ(2月6日)

大学学長会議(Hochschulrektorenkonferenz :HRK)、ドイツ学生支援協会(Deutsche Studierendenwerk:DSW)、およびドイツ全国学生連盟(freie zusammenschluss von student innenschaften:fzs)は、科学、大学、社会研究のインフラストラクチャーの推進のための連邦政府と州政府の協力関係の強化と、新議会における連邦政府の財政的コミットメントの拡大に関して、連邦各州の科学大臣が次期連邦政府に対して行った一連の要求を歓迎すると発表した。また、学生の生活支援として、学費支援制度(BAföG)の改革や手頃な住居の提供が求めた。HRK、DSW、fzsは、教育・研究政策の強化は、経済の発展、社会的結束、民主主義の維持において極めて重要であるとして、大学関係者と学生に対して2月23日の連邦議会選挙で選挙権を行使するよう呼びかけている。

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UNESCO世界教育報告書:教育におけるリーダーの重要性 (2月10日)

2月6日、ベルリンでUNESCO世界教育報告書のドイツ語版要約版が発表された。この報告書は「教育におけるリーダーシップ」をテーマに、どのように変革を促し、学校や教育機関を強化できるかを示している。報告は優れた学校には、適切に準備されたリーダーが不可欠 である。明確な目標設定、学習成果の向上、協力的な学校環境の促進、教職員の育成に取り組む強力なリーダーシップが、教育の質向上に重要であるが、学校経営者には十分な裁量権が与えられておらず、増加する事務作業に追われていることを指摘している。そのため、教育政策や行政は、学校経営者の育成と支援にもっと力を入れる必要がある。具体的には、リーダーに対する信頼の確立、適切な研修の実施、十分なリソースの提供が求められる。

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チェム・オズデミール連邦教育研究大臣:国際化競争に勝つためにはイノベーションが必要(2月26日)

2025年2月26日、「研究と革新」専門委員会(Expertenkommission Forschung und Innovation :EFI)は年次報告書を連邦政府に提出した。この報告書は、強力な研究イノベーション(F&Iシステム)が企業の国際競争力や環境に優しい経済への移行、そしてデジタル化において重要な要素であることを示している。特に、量子技術が大きなイノベーションの可能性を秘めていることが強調されている。連邦教育研究省(Bundesministerium für Bildung und Forschung : BMBF)のチェム・オズデミール大臣は、「イノベーションがグローバル競争での勝ち残る鍵であり、独自の技術が豊かさと安全を守るために必要だ」と述べた。報告書は、研究開発へのさらなる投資と、欧州の協力強化を提案されている。また、ドイツは量子技術において優位的な立場にあるとされ、今後も支援を続ける必要があると指摘されている。

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DFG、次期議会期間に向けた提案を示す (2月26日)

ドイツ研究振興協会(Deutsche Forschungsgemeinschaft:DFG)は、次期議会期間に向けた重要な科学政策の提言を発表した。この提案書では、科学と研究の役割がますます重要になっている中で、教育と研究への長期的かつ大胆な投資が必要だと強調し、10の重要な行動領域を挙げ、それぞれに具体的な行動提言を行った。特に、認識主導の研究を競争力のあるものにするために、規制の緩和やイノベーション促進のための自由な研究環境を創出することが求められている。また、大学の「卓越戦略」の進展や、デジタル化に対応するための研究データ法の制定、AI研究の強化も提案されている。さらに、生命科学や動物実験に関する法的調整、国際的な研究協力の強化も重要なテーマとなっている。

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